和魂(にきみたま)

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マグネシウム新時代の到来『KUMADAIマグネシウム合金』

 

はじめに

 

常識を覆すマグネシウム合金「KUMADAIマグネシウム合金」を熊本大学が開発しました。

 

今回のマグネシウム不燃化によって、「KUMADAI耐熱マグネシウム合金」の製造時と利用時の安全性が高まったことから、医療用具、航空機や自動車など様々なものへの応用に弾みが付くと考えられます。

 

マグネシウムの特徴 

 

マグネシウムは、実用金属で最も軽く資源量も豊富だけれども燃えやすく強度が弱いのが欠点です。

 

マグネシウムの特徴

 

■ 実用金属で最も軽いこと。

その比重はアルミニウム(Al)の3分の2、鉄(Fe)のわずか4分の1にとどまります。

■ 資源量が豊富で海水中にも含まれているため、資源に恵まれない日本で唯一、自給可能な金属資源でもあります。

■ 人体に含まれている元素なので人体との適合性がよく、医療用具への活用も可能です。

 

マグネシウムの克服しなければならない弱点

 

機械的強度の低さ

 ジュラルミンなどの高強度Al合金の半分程度にとどまります。

■ 腐食の問題

 腐食しやすい、つまり錆びやすいのも構造材としては致命的な欠点です。

■ 発火しやすい

 発火温度が低い上に、いったん発火した場合に水をかけると水素を発生して水素爆発を起こしかねないなど危険な素材でもあります。つまり機械加工に適していないのです。

 

「KUMADAIマグネシウム合金」とは

 

「KUMADAI鋳造耐熱マグネシウム合金」と「KUMADAI鋳造不燃マグネシウム合金」は、強度と発火温度の問題を解決しています。さらに特殊な急冷法でつくる「KUMADAI急冷耐熱マグネシウム合金」は、耐食性の問題も解消しています。

 

アメリカ連邦航空局(FAA:Federal Aviation Administration)は、これまで航空機の内装品にマグネシウムを使用することを禁止していたが、「KUMADAI耐熱マグネシウム合金」と「KUMADAI不燃マグネシウム合金」の燃焼試験をFAAに実施してもらったところ、FAAの担当官から「両方のKUMADAI合金はオイルバーナーで4分間加熱しても燃えることなく、極めて容易に燃焼試験にパスした」と報告を受けました。

 

「KUMADAIマグネシウム合金」の開発によって、ようやくアルミニウム合金に対して優位性のある高強度の難燃・不燃マグネシウム合金が実現されました。

輸送機器の軽量化は、これから強まることはあっても弱まることはなく、より軽くて強い材料の開発は今後ますます重要になっていくものと考えられます。

 

航空機分野でマグネシウム合金の使用が解禁される状況となっていることからも、マグネシウム新時代が到来するものと言えます。

 

「この好機を逃さないように産官学が連携して戦略的に研究開発を行う必要がある」

熊本大学の河村教授は資料のなかで締めくくられています。

航空機産業や自動車産業は、今回大きな痛手を負っているものの、このような日本発の新技術は、なんとしても守ってほしいと切に願います。

 

 

www.youtube.com

 

参考文献:

KUMADAI耐熱マグネシウム合金の不燃化に成功~航空機部品などへの実用化に弾み!~ | 熊本大学

 

ボーイングが認めた画期的な新素材。燃えないマグネシウム開発に成功した河村教授の研究者“山あり谷あり”人生 | リケラボ

 

https://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2019-file/release191217.pdf

 

http://sokeizai.or.jp/japanese/publish/200706/201406kawamura.pdf