和魂(にきみたま)

和魂(にきみたま)

エネルギー充填120%!全速前進!ヤマト発信します!

中央銀行デジタル通貨(CBDC)日銀が実証実験へ &「 ICHIBAコイン」と「さるぼぼコイン」

中央銀行デジタル通貨(CBDC)とは

 

まずは中央銀行デジタル通貨とは何なのかを日銀ホームページで確認しておこう。

 

www.boj.or.jp

 

一般に「中央銀行発行デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)」とは、次の3つを満たすものであると言われています。

(1)デジタル化されていること、

(2)円などの法定通貨建てであること、

(3)中央銀行の債務として発行されること。

中央銀行は、誰でも1年365日、1日24時間使える支払決済手段として銀行券を提供していますが、これをデジタル化してはどうかという議論があります。


現金を代替するようなデジタル通貨を中央銀行が発行することについては、具体的な検討を行っている国もありますが、民間銀行の預金や資金仲介への影響など検討すべき点も多いことなどから、多くの主要中央銀行は慎重な姿勢を維持しています。日本銀行も、現時点において、そうしたデジタル通貨を発行する計画はありません。

 

一方で、中央銀行当座預金という既にデジタル化されている中央銀行の債務を、新しい情報技術を使ってより便利にできないかという議論もあります。多くの主要中央銀行では、新しい情報技術を深く理解する観点から、調査研究や実証実験などの取り組みを行っています。日本銀行では、欧州中央銀行と共同で分散型台帳技術と呼ばれる新しい情報技術に関する調査(プロジェクト・ステラ)を実施しており、その結果を報告書として公表しています。

 

 

これを踏まえたうえで、次にニュースを紹介する。

 

 

日銀が「中銀デジタル通貨が現金同等の機能を持つための技術的課題」を発表

 

世界中の中央銀行が研究を進めている中央銀行デジタル通貨(CBDC)について、同様に研究に取り組んでいる日本銀行が7月2日、その技術的課題についてまとめたレポート「中銀デジタル通貨が現金同等の機能を持つための技術的課題」を発表。この中で、「⽇本銀⾏としては、実証実験等を通して、技術⾯からみた実現可能性(フィージビリティ)を確認していく」として、実証実験を行う可能性を示唆した。

 

日本経済新聞でも報じていたので貼っておく。

www.nikkei.com

 

日銀は2月、決済機構局内にCBDCの研究チームを立ち上げており、今回のリポートは第1弾になる。CBDCの実用化には現金同等の機能を持つ必要があると指摘した。具体的には「誰でも、いつでも、どこでも安全・確実に利用できる決済手段」という役割を求め、そのための技術的な課題を洗い出した。

 

f:id:nikimitama:20200705190025j:plain

 

開始時期は明らかにしていないが、民間の金融機関や決済事業者などと連携し、オフラインの環境でも決済できるかといった技術面の検証に取り組むとみられる。

 

日銀は決済分野で民間との協力を進めるため、2月に「決済の未来フォーラム」という協議の場を立ち上げた。その下に「デジタル通貨分科会」をつくり、今月30日に初会合を開く。

 

 

 

日銀のホームページでは中銀デジタル通貨の技術的課題が以下のように記載されている。

www.boj.or.jp

 

中銀デジタル通貨が現金同等の機能を持つための技術的課題

 

要旨

中銀デジタル通貨(CBDC)が現金同等の機能を持つためには、「誰もがいつでも何処でも、安全確実に利用できる決済手段」であることが求められる。したがって、CBDCを検討する際には、CBDCが「ユニバーサル・アクセス(Universal access)」と「強靭性(Resilience)」という2つの特性を備えることが技術的に可能かどうか検討することが重要なテーマとなる。

 

ユニバーサル・アクセスの観点からは、多様なユーザーが利用可能な端末の開発が重要となる。強靭性に関しては、通信・電源途絶への耐性を備えたオフライン決済機能を備えることが望ましい。スマートフォンを用いたケースでは、オフライン決済に必要な機能の多くに既存技術を転用可能とみられる一方、実用化に際しては、機能の安定性や処理性能の確保、コストの面などにおいて課題も残る。ユニバーサル・アクセスの確保に関しては、スマートフォン保有していないユーザー向けの端末の開発も検討課題となろう。

 

CBDCについて検討する際には、こうした技術的な課題に加え、セキュリティ確保のためのセーフガードや、プライバシーとAML/CFTの両立といったコンプライアンス上の課題への対応も重要である。これらは、オンライン、オフライン決済にかかわらず重要な課題であるが、オフライン環境下ではより対応が難しくなるため、しっかり検討を行う必要がある。セキュリティに関しては、端末の定期交換などを通じて、オフライン環境におけるCBDCの偽造リスクに対応する必要があろう。また、オフライン環境では、管理者が脅威を常時把握できないため、CBDCの利用金額に一定の上限を設けて被害規模を予め限定することも一つの選択肢であろう。コンプライアンス面では、プライバシーの確保に向けた検討が重要である一方、AML/CFTの観点から不正リスクを抑制するために、決済情報の事後収集やオフライン利用金額の上限設定などを検討する必要がある。

 

 

 

中国動向

 

一方、デジタル人民元を目指す中国では、

www.coindeskjapan.com

2017年、中国政府は暗号資産取引所での暗号資産と人民元の取引を禁止した。その結果、多くのトレーダーはOTCプラットフォームに移行、OTCプラットフォームは基本的には買い手と売り手をつなぐことでピアツーピア取引を可能にする。

中国の個人ユーザーはOTCデスクを使って、人民元で米ドルに連動するステーブルコインであるテザー(USDT)やビットコインbitcoin)を売買し、暗号資産取引を行う。

 

当局の捜査はOTC相対取引)での暗号資産取引が必ずしも違法であることを示しているわけではないが、組織的な捜査の対象となったことで中国のOTCデスク業務に影響を与える可能性はある。OTCデスクは中国の暗号資産取引では、圧倒的な位置を占める。

当局は6月上旬、OTC取引を通じたマネーロンダリングにからんだネット詐欺や出資金詐欺を助長したとして、複数のOTCデスクの業務を停止し、顧客の銀行口座を凍結した。

暗号資産、特にドル連動型ステーブルコインのテザー(USDT)は、中国では出資金詐欺や詐欺組織によるマネーロンダリングに利用されていると言われる。当局は今後捜査を進める上で、さらにOTCデスクの停止と顧客の口座を凍結する可能性がある。

 

 

 

日本暗号資産市場株式会社「ICHIBAコイン」

 

6月30日──日本円のステーブルコインが年内発行


日本暗号資産市場株式会社が6月30日、年内にもステーブルコイン「ICHIBAコイン」(ティッカー:ICB)を発行する予定と発表した。1コイン=1円として発行。コインはERC20トークンを採用、法的には事業者用自家型前払式支払手段(資金決済法4条7項の適用除外)で通貨建資産にあたるため、暗号資産には該当しないという。

 

 

電子地域通貨 「さるぼぼコイン」

 

飛騨信用組合〉が高山市飛騨市、白川村限定で行っているサービスで
加盟店は約900軒、累計コイン販売額は約6億円に上る(2019年3月現在)

 

私が最も注目しているのが、日本で最先端を行っているお金の地産地消を目指すQR決済の先駆け 飛騨の電子地域通貨〈さるぼぼコイン〉である。

www.hidashin.co.jp

 

www.youtube.com

 

 

その他

 

中央銀行デジタル通貨については、フランスやイタリアでも同様の実証実験が始まるようだ。

各国の動向については、下の記事も参照されたし。

www.coindeskjapan.com

 

www.coindeskjapan.com

 

 

世界中でデジタル通貨に対する動きが激しくなっており、紙幣からデジタル通貨への移行は確実と思われる。

まだ2~3年くらいの猶予はありそうだが、移行過程ではインフレやデノミネーションなども予想され、価値の転換が発生しやすいことからデジタル通貨には注視しておきたい。