和魂(にきみたま)

和魂(にきみたま)

エネルギー充填120%!全速前進!ヤマト発信します!

電子証明書「Common Pass(コモンパス)」と「コモンズ・プロジェクト(TCP)」

 

はじめに

 

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が続く中、多くの国では出入国に、PCR検査結果や行動履歴の共有、行動制限などが必要となっている。

 

こうした中、出入国のためにPCR検査結果などを共有する世界共通の

電子証明書「Common Pass(コモンパス)」

の開発が進んでいる。

 

 

コモンパスとは

 

渡航者のPCR検査結果ワクチン接種歴などの医療情報を本人ID(パスポート番号など)と紐づけ、電子証明する仕組み。

 

各国の出入国基準を満たしていることを検証する方法には、スマホアプリが活用される。

(アップルの「Apple Health」とグーグルの「Common Health」など)

 

 

コモンズ・プロジェクト(TCP)とは

 

ロックフェラー財団の支援を受けて設立された非営利組織。

スイスに本部を置き世界各国で活動しており、電子証明書「コモンパス」の構想を推進する。

 

国際的な非営利組織であるコモンズプロジェクトがデータ基盤を含めたフレームワークをつくり、それを各国政府に活用してもらうという構想である。

実際には、世界経済フォーラム国際文化会館(日本)などが運営を担う。

 

国際文化会館理事長の近藤正晃ジェームスはTCPグローバル評議員を、また同理事の宮田裕章氏(慶應義塾大学医学部教授)はTCPグローバル評議員と日本代表を務めている。

 

 

フレームワーク

 

f:id:nikimitama:20200831173416p:plain

出典:国際文化会館

コモンズ・プロジェクト | IHJ Programs

 

 

スケジュール

 

2020年7月初めにコモンパスのフレームワーク設計と国際展開を開始後、すでに52カ国の政府関係者や国際機関などが賛同しているという。

同プロジェクトは8月中にコモンパスの仕様を決め、10月には各国の政府機関などに仕様の提案を行う計画だ。

 

 

 宮田裕章氏のコメント(抜粋)

 

世界経済フォーラムも、経済合理性至上主義の見直しをテーマとして、今年を「グレートリセット」の年と位置づけています。

今、世界各国は、経済と命のバランスだけでなく、人権や格差、教育、環境など様々な価値の中で、何を大事にするのかを問い直しています。

 

ダボス会議安倍晋三首相が提唱した「Data Free Flow with Trust(信頼ある自由なデータ流通)」とも関係しますが、「共有財としてのデータをどう考えるか」ということがまさに実践の場の中で問われています。

 

新型コロナ対策でも、世界各国でデータが重要な役割を果たしています。

今後ワクチンが実用化されるにあたり、世界を自由に行き来するためにはワクチンの接種履歴というデータを世界中で共有しなければならない時期が訪れます。

また、PCR検査の結果や本人の健康状態、現地での行動の情報も合わせて、共有する必要があるでしょう。

 国を超えて、データを繋がなければならないという強い動機の中で、立ち上げられたのが米ロックフェラー財団世界経済フォーラムが取り組むCommons Projectです。

このプロジェクトの中で運用されるのが世界共通の電子証明書「コモンパス」です。

日本では国際文化会館に事務局を置いています。

コモンパスは共有財としてのデータをどう扱うかというモデルケースとなる可能性があります。

 

 

medical.nikkeibp.co.jp