「神」と「仏」のダブルスタンダード あなたの氏神様(鎮守神様)、産土神様ってどんな神様?
まえがき
宗教と聞くと嫌悪感を示すのが、多くの日本人の反応だと思います。
これは、豊臣秀吉のおこなったバテレン追放や徳川家康のキリスト教禁教令に端を発しているのかもしれません。
日本人は、宣教師たちが奴隷を連れていることや奴隷売買を快く思わなかったのです。
日本人の宗教観を語れる人は、ほとんどいないと思われます。(私も勉強中です)
その理由は、戦後GHQが日本政府に対して「神道指令」を発し、国家神道、皇室の伝統、歴史教育を全面否定することを求めたためだと考えます。しかしながら、おじいちゃん、おばあちゃんや親の背中を見ているうちに自然と身について、知らず知らずのうちに実践しているものが、あるのではないでしょうか。
海外に行くと信仰している宗教を聞かれることがあります。
このとき多くの日本人は、「無宗教」や「仏教」と答えると思いますが、本当にそうでしょうか?
ちなみに海外では「無宗教」=「悪魔崇拝」を意味することがあるので、かなり警戒(ドン引き)されます。
多くの日本人が自然に実施している宗教的な行動
(地域や宗派などによって異なる部分がありますので、すべての日本人にはあてはまらないのですが・・・)
誕生初参り(生後1か月目:お宮参り)
お世話になる神様への紹介と赤ちゃんの健やかな成長を願って、氏神様(うじがみ)、産土神様(うぶすながみ/赤ちゃんの産まれた土地の神様)にあたる神社へお参りします。
七五三
七歳、五歳、三歳に神社などで、氏神様へご報告・感謝・祈願を行い、子どもの成長を祝うと共に、厄祓いも合わせて行います。
初詣
年が明けたら氏神神社に参拝し、一年の感謝を捧げたり、新年の無事と平安を祈願したりします。大きな神社や複数の神社へ参拝される方も多くなりました。
お祭り
お祭りの時期には、神社の神輿を担ぎます。
お葬式
亡くなられた場合には、僧侶などによる葬儀が行われます。
お墓参り
お盆やお彼岸、命日にはお墓参りへ行くという方は、たくさんいらっしゃると思います。
神社とお寺の神仏習合
つまり、生きている間は神社(神様)で、亡くなった後はお寺(仏様)なのです。
これは、まさに「神」と「仏」のダブルスタンダードと言って良いのではないでしょうか?
実はこれ、神仏習合(しんぶつしゅうごう)と言います。
Wikiでは「日本土着の神祇信仰(神道)と仏教信仰(日本の仏教)が融合し、一つの信仰体系として再構成(習合)された宗教現象」と記載されています。
まとめ
日本人は、宗教を信仰しているというよりは「儀式」として見ているようです。
近年では教会で結婚式を挙げる方も多くなり、この神仏習合にキリスト教も合わさっています。外国の方から見れば、理解不能なことのようですが、神道という観点から見ればなんとなく解ります。
神道では八百万(やおよろず)の神々を祀ります。
「神道+仏教+キリスト教」とは、すでにいた八百万の神々に、もう2つ加わったというだけなのです。
3万8千年前から続く日本は、弥生時代に渡来してきた人々がいるように元々多民族国家であったことも影響しているのかもしれません。
これは、共生・共存という日本特有の融合文化とでもいうのでしょうか。
外国の方やハーフの方も薄々感じていらっしゃるかもしれませんが、日本にいると不思議と日本人になってしまうんですね。
近くの神社やお寺の歴史を調べたり、氏神様の神話を学んでみるのも意外と面白いです。
あなたの信仰している宗教は?と聞かれたら、自信を持って神社やお寺、氏神様などの話をしてみてあげてはいかがでしょうか。
豆知識
神社参拝
神社で神様へ伝えることは、「銀座まるかん」の創業者である斎藤一人さん曰く、
「いつもお助けいただき、ありがとうございます」
だそうです。
ポイントは3つで、
■過去形で表現すること。
本人が知らないうちにも助けられているから。
■「ありがとう」の言霊(ことだま)を含めること。
神様は、言霊が大好きなので。
■感謝の意を伝えること。
神様が喜ぶから。
神社の本殿には鏡が祀られていることが多いので、本当の神様は自分自身の「魂」や「潜在意識」だという説もあります。
何か新しいことを始めようとすると邪魔をしてくる潜在意識ですが、この3つのポイントを伝えていないので、すねているのかもしれません。
ということは、自分の潜在意識に、この3つのポイントを繰り返し伝えることによって、潜在意識を味方につけることができれば、奇跡も起こせるのかもしれません。
狛犬について
神社で鳥居をくぐり、参道を進むと対の狛犬(こまいぬ)が見えます。
実は
右側の口を開けている方が「獅子」
左側の口を閉じている方が「狛犬」
なのです。
元々は
角がなく口を開いている獅子は、阿形(あぎょう)
角があり口を閉じている狛犬は、吽形(うんぎょう)
と呼んでいました。
鎌倉時代後期以降は形が簡略化されたため、角がない狛犬が多くなりました。
「阿吽(あうん)」は、インドの古い言葉(サンスクリット語)のアルファベットの最初と最後の文字を表すと言われています。偶然にも日本語の五十音も最初と最後の文字が「あ・ん(うん)」なので、サンスクリット語と係わりがあるのかもしれません。
「阿」とは全ての始まりを意味し、
「吽」とは全ての終わりを意味します。
つまり、阿吽の一対で始まりと終わり、この世の全てを表現しているのです。
この一対の獅子と狛犬は、魔除けの効果があるとされ、日本に入ってきたばかりのころは天皇の皇居の中で使われていました。
天皇のお座りになる場所を隠す、几帳や御帳(布のとばりのこと)を押さえる重りとして使われたと言います。
それがいつしか神社や寺でも置かれるようになったのです。
■伊勢神宮の狛犬
理由は、伊勢神宮が出来た頃にはそもそも狛犬が日本になかったからであり、また、伊勢神宮が古くからの形をそのまま今に伝える神社だからと言われています。昔ながらの形を後世に伝えるという方針が採られている伊勢神宮においては、現在の伊勢神宮が形作られた後に伝わった狛犬が取り入れられる余地はなかったようです。
■出雲大社の狛犬
出雲大社で社殿の中で対座している狛犬は、珍しい「木製」です。
■明治神宮の狛犬
明治神宮には狛犬は置いてあるのですが、社殿の中の内陣(ないじん)という神社の本殿の中で最も奥にある場所にあるので、一般の方は見つけることは出来ません。
※予約投稿により微妙なタイミングでの投稿となってしまいましたが、日本を知る上で重要なテーマなので記事の差し替えはしませんでした。
不安からスピ系や宗教に頼る人が増えると予想されますが、そういうものの中には怪しいものも多いので注意してください。