スティーブ ジョブズの卒業式スピーチ『点と点を結ぶこと・愛と喪失・死』について
今週のお題「卒業」
スティーブ ・ジョブズは、アメリカの実業家、作家、教育者です。
アップル社の共同設立者の一人であることは、有名ですね。
「アップルコンピュータ」という社名の由来は、ジョブズが当時果実食主義を実践していたことに加え、リンゴ農園から帰ってきた直後だったこともあって、この名前を思いついたとのことです。また、その響きが「楽しげで、元気がよく、威圧感もない」と考え、さらに電話帳でアタリ社より上に来る名前でもあったので採用したのだと言われています。 ちなみにジョブズは、1974年にアタリ社を訪問したときに「雇ってくれるまで帰らない」と宣言したことから創業者に気に入られ、採用されています。
ジョブズは1976年6月『Apple Ⅰ』を666.66ドルで販売を開始しますが、なんとも意味深な価格です。
また、ジョブズは黒のタートルネックにジーンズ、足下はスニーカーというスタイルを貫いていました。これは、80年代にジョブズが日本のソニーの工場を訪問した時に、従業員がユニフォームを着ていたことがきっかけだと言われています。
ちなみにアインシュタインは、毎朝何を着るかを決めるのは時間の無駄だと考え、同じスーツの別モデルを複数購入していたので、もしかしたらジョブズも同じ考えだったのかもしれません。
ジョブズは「仏教には初心という言葉があるそうです。初心をもっているのは、すばらしいことだ。」と述べているように東洋文化を尊重し、坐禅・食事に心酔し、裸足で校内を歩き、風呂に入らない時期もあったと言われています。
なんだか日本人みたいですね。
その影響もあり、ジョブズは膵臓癌と診断されたとき、西洋的な医術を頑なに拒否し、絶対菜食、ハリ治療、ハーブ療法、光療法などをインターネットで探し、民間療法などを用いて完治を図ろうとしていたと言われています。
そんなジョブズは、2005年にスタンフォード大学の卒業式スピーチで3つの話をしています。
一番目は「点と点を結ぶこと」
二番目は「愛と喪失」
三番目は「死」
どれも重要な話ですが、特に三番目の話に出てくる「あなた方の時間は限りがあります。誰か他の人の人生を生きることで、時間を無駄にしないでください。他人の意見の雑音で、あなた自身の内なる声が、かき消されることのないようにしてください。そして、最も重要なのは、自分の心と直感に従う勇気を持つことです。それ以外の総てのことは、二の次なのです。」のフレーズは、私の心にズシンと響きました。
「死」については誰も避けては通れないのですが、なぜかこのテーマについて考えることを避けて通ってしまいます。それゆえに、日常の時間というものを軽視してしまうのではないでしょうか。
これは、自分の人生である日常を見つめ直すきっかけとなるチャンスなのかもしれません。
それでは、動画をお楽しみください。
スティーブ ・ジョブズ・スタンフォード大・卒業式スピーチ・2005年
今日は、私の人生から3つの話をしたいと思います。
最初の話は「点と点を結ぶこと」についての話です。
私は自分の人生で何をしたいのか分からず、そしてそれを見つける為に大学がどのように役立つのか、まるで分らなかったのです。それなのに私は両親が生涯に渡って蓄えてきた資金を使い果たそうとしていたのです。
そこで、私は大学を退学することを決意しました。
その時は大変不安な思いもありましたが、振り返ってみると、かつて私が下した最善の決断の一つでした。
退学した瞬間から私は、興味が持てない必修の科目をとるのをやめることができ、はるかにおもしろそうなクラスに出戻りの学生として講義を聴きに行きはじめました。
そして私が自分の興味と直感に従って巡り合った多くのものは、後に極めて貴重なものとなったのです。
例えば、リード大学は当時においてはおそらく、国内最高のカリグラフィ(書体)の授業を実施していました。私は、セリフとサンセリフの活字の字体や異字体を組み合わせたときの文字間隔を調整することや活字印刷を立派に見せるものについて学びました。
このどれもが、私には私の人生で実際の仕事に応用する希望すらなかったのです。しかし10年後、私達が最初のマッキントッシュコンピュータを設計していた時に、それがすべて蘇ってきたのです。それらすべてをマックに組み込んだのです。
マックは、美しい活字フォントを備えた最初のコンピュータとなったのです。
もちろん大学にいたときは、将来を見据えて点と点を結びつけることは不可能な話でした。しかし、10年後に振り替えると大変はっきりと見えてきました。
繰り返しますが、将来を見据えて、点と点を結びつけることはできません。後に振り返って見た時にしか、点と点を結びつけることができないのです。
それ故、あなた方は点と点がとにかくも将来に結び付くと信じなければならないのです。自分の根性、運命、カルマ、たとえそれが何であれ、信じなくてはならないのです。
何故なら点と点がいずれ将来に結びつくと信じることは、あなた自身の心に従う自信をもたらすからです。
たとえそれがあなたを多くの人が通る道から外れる道へ導くとしても、大きな違いを作り出すのです。
私の2番目の話は「愛と喪失」についての話です。
・・・続きは動画でどうぞ