WHOパンデミック宣言で現実味を増す『ザ・シンプソンズ』『大阪風邪』『スペインかぜ』『致死率』『第2波』
WHOパンデミック宣言
3月11日WHOは、新型コロナウイルスについてパンデミックを表明した。
過去記事で、WHOのパンデミック宣言は、7月まで出来ないと書いたが見事に外れてしまった。
無念である。
パンデミックを語る上で、最初に知っておく必要があるのは、人類史上最悪のパンデミックと言われる「スペインかぜ」だ。
スペインかぜ
1918年から1919年にかけ全世界的に大流行したH1N1亜型インフルエンザの通称である。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によるインフルエンザ・パンデミック重度指数(PSI)においては最上位のカテゴリー5に分類される。
感染者は、約5億人以上、死者は5,000万人から1億人に及び、当時の世界人口は18~20億人であると推定されているため、全人類の3割近くがスペインかぜに感染したことになる。感染者が最も多かった高齢者では基本的にほとんどが生き残った一方で、青年層では大量の死者が出ている。
大日本帝国(日本)では、当時の人口5,500万人に対し39万人が死亡し、アメリカでも50万人が死亡した。これらの数値は感染症のみならず戦争や災害などすべてのヒトの死因の中でも、最も多くのヒトを短期間で死亡に至らしめた記録的なものである。
「致死率」と「死亡率」は定義が異なるため、使用する際には注意が必要である。
■致死率(致命率ともいう)
特定の疾病に罹患した母集団のうち死亡する割合
■死亡率
一定人口に対する、その年の死亡者数の割合
Wikiでは、スペインかぜの
感染者数が約5億人で、
死亡者数が5,000万人から1億人なので、
致死率は
・スペインかぜ:10.0%~20.0%
対して、他の致死率は
・インフルエンザ:0.1%
・新型コロナウイルス:3.7%(2020年3月12日:4,638/126,258を採用)
この致死率は、新型コロナウイルスを判断する上で、今後重要になってくると思われるので、よく頭に入れておいた方が良い。(恐怖を煽る報道にも冷静に対処できる)
第1波は1918年3月にアメリカのデトロイトやサウスカロライナ州付近などで最初の流行があり、アメリカ軍のヨーロッパ進軍と共に大西洋を渡り、5〜6月にヨーロッパで流行した。
第2波は1918年秋にほぼ世界中で同時に起こり、病原性がさらに強まり重篤な合併症を起こし死者が急増した。
第3波は1919年春から秋にかけて、第2波と同じく世界で流行した。さらに、最初に医師・看護師の感染者が多く医療体制が崩壊してしまったため、感染被害が拡大した。
このように、パンデミックには第1波、第2波、第3波のような流行のピークがあり、一旦収束したかのように見えても再び流行を繰り返すことがある。
ポリオの流行推移
この第1波、第2波は、グラフで見れば分かりやすいので、訳ありで一生掲載できないと思っていた資料をしれっと掲載しておく。
わが国のワクチン産業と 市場の動向
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000035gut-att/2r98520000035gxh.pdf
このグラフから、ポリオにおいても第1波、第2波があったことが確認でき、かつ第1波よりも第2波の方が、より感染者数が多かったことが伺える。
スペインかぜは、インフルエンザであるので、「一本鎖(ー鎖)RNAウイルス」に分類される。(過去記事の添付資料参照)
一方、コロナウイルスは、「一本鎖(+鎖)RNAウイルス」に分類される。
どちらも「一本鎖RNAウイルス」であるため、非常に変異しやすいのが特徴である。
このウイルスの変異が、第2波、第3波を招く原因となる可能性は否定できない。
(プラス鎖、マイナス鎖については、過去記事の添付資料右下に説明があるので参照願う)
日本の現状
現在日本は、新型肺炎の検査をしないという隠蔽工作?によって表面上はさほど流行していないように見えるが、必要な対策が後手に回れば次の第2波によって、大流行の震源地となる可能性が高まる。
知人から聞いた話によると、ある病院では本日より入口で耳の温度測定を実施し、OKとなった人しか入場できない規制が始まったとのこと。
ザ・シンプソンズの大阪風邪
このような背景もあり、がぜん現実味を帯びてきたのが、1993年に放映されたアメリカのアニメ「ザ・シンプソンズ」第4シーズン第21話「マージの逮捕: Marge in Chains」ではないだろうか。
この第21話は、日本から輸入された製品の包装箱の中に日本人ライン工が咳を入れてしまったことで、主人公らが住む街スプリングフィールドに「大阪風邪(Osaka Flu)」が大流行してしまうという話だ。「Osaka Flu Hit Springfield」