和魂(にきみたま)

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クスリはリスク?①

この記事は薬を批判するものではなく、メリット(効果)とデメリット(副作用)をきちんと把握してから使用することを促すものです。また、薬に対する評価は逐次変わっていくものであるため、使用時には常に最新の情報で確認する必要があることを推奨するものです。

 

 

これは、普段なんとなく使用している「解熱・鎮痛剤」ですら言えることです。

厚生労働省は、2002年に「医療用医薬品の家庭における使用について」で注意喚起しています。

 

医療用医薬品の家庭における使用について

(1)これまで厚生労働省では、インフルエンザ罹患時に使用を避けるべきものとして、(別紙1)の医薬品について安全対策を講ずるとともに、インフルエンザ流行期に家庭内で医師の指導によらないまま医療用の解熱剤を使用することのないよう、インフルエンザ総合対策「インフルエンザQ&A」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/index.html)等により注意を呼びかけてきた。

 

(2)厚生労働省インフルエンザ脳炎・脳症研究班では、平成13年~14年シーズンにおけるインフルエンザ脳炎・脳症症例の調査を実施しているが、研究班へ寄せられた症例において、(1)の安全対策にもかかわらず当該医薬品を処方した、又は家庭内において使用されていた事例があることが、班長 森島恒雄教授(名古屋大学医学部)より報告された。

 

(3)厚生労働省では(2)の報告を踏まえ、日本医師会日本歯科医師会日本薬剤師会等の関係団体に対して通知により、インフルエンザ流行期における解熱鎮痛剤等の慎重な使用について周知を要請した。

 

 

 

 

最近では、世界保健機関(WHO)が3月17日に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状がある人は抗炎症薬「イブプロフェン」の服用を避けるよう勧めたことによって、下のリンク記事のようにひと騒動起きています。

 

www.afpbb.com

 

news.yahoo.co.jp

 

 

 

繰り返しになりますが、このように薬に対する評価というものは、逐次変わっていくものです。

既に忘れ去られたかもしれませんが、かつて日本において大量備蓄が行われた薬の最新情報は、次のようになっています。なお、下の内容は出典を抜粋したものであり、情報が偏っている場合があるため、全文を確認することを推奨します。

 

出典:オセルタミビル - Wikipedia (4月30日時点)

 

オセルタミビル(oseltamivir)は、インフルエンザ治療薬である。オセルタミビルリン酸塩として、スイスのロシュ社により商品名「タミフル」(tamiflu)で販売されている。

 

A型、B型のインフルエンザウイルスに作用する(B型には効きにくい傾向がある)。C型インフルエンザには効果がない。鳥インフルエンザを引き起こすのは、A型インフルエンザウイルスであり、H5N1型の高病原性トリインフルエンザウイルスにも、ある程度有効との研究結果が報告されている。

 

2014年には、コクラン共同計画による完全な治験データの再分析結果が公開され、当初の服用の理由である入院や合併症を減少させるという十分な証拠はなく、成人では発症時間を7日から6.3日へと減少させる程度であり、副作用も含めて、使用指針の見直しが必要であると報告された。

 

 

作用機序

オセルタミビルは,ウイルスが宿主細胞から別の細胞へと感染を広げる際に必要となるノイラミニダーゼ (neuraminidase, NA) という酵素(糖タンパク質)を阻害することでインフルエンザウイルスの増殖を抑制する。 感染し細胞内で増殖したウイルス粒子は、細胞から放出される際にノイラミニダーゼによって遊離し感染を広げるが、ノイラミニダーゼ阻害薬によってウイルス粒子の遊離ができず新たな感染が抑えられる。 これがノイラミニダーゼ阻害薬の作用機序である。

 

また、気分、認知、行動に深く関わる様々な神経伝達物質受容体やイオンチャネル代謝酵素、トランスポーター等に対する結合活性や阻害活性について調べた報告では、NMDA受容体に対しては、未変化体のオセルタミビルは3µM濃度で14%阻害、30µM濃度で23%阻害、活性代謝物オセルタミビルカルボン酸は3µM濃度で21%阻害であったことから、異常行動等の精神神経系副作用との関連性が示唆されている。

 

 

有効性

ロシュが、入院や合併症リスクを低下させると主張し、各国政府が数十億米ドルを投じてオセルタミビルを備蓄した後、2012年、コクラン共同計画が日本、アメリカ、欧州の規制機関に提出された臨床試験のデータをシステマティック・レビューし、21時間発症時間が短縮されることと、感染や入院のリスクを低下させるかは結論できないとした。ロシュ社に完全な臨床試験のデータの公開が要求されており、2014年4月10日にその分析結果が公開された。伴って、医学誌BMJとコクランは、未公開の臨床試験データの検証により服用による効果は限定的であり、世界の政府機関は証拠が改定されたことによる見直しが必要との声明を出した。

 

38カ国、29,234人の患者を対象にした78件の研究に対する別のシステマティック・レビューでは、2009年新型インフルエンザの世界的流行の際、ノイラミニダーゼ阻害薬がインフルエンザによる死亡率を25%低下させたとし、その有益性を評価する報告もなされている。しかし、これは完全なデータではなく、データ提供依頼した際の19%のデータに限られており、影響はないというが研究にロシュ社が出資しており、またランダム化比較試験以外が含まれているとの指摘を受けた。

 

 

経緯

2005年11月に FDA の小児諮問委員会で報告された際には、「タミフル」の全世界での使用量のうち、およそ75%を日本での使用が占めており、世界で最も多く使用されている上、同2位のアメリカ合衆国と比べ、子供への使用量は約13倍であった2005年には、新型インフルエンザの発生懸念のため、一部の大病院などで買い占めがおこり、世界的に品薄状態と報じられた。

 

2009年までには、インフルエンザのパンデミックへの恐れが絶頂期となり、堅牢な科学的証拠のないまま、世界保健機関から勧告がなされ、各国はタミフルを大量に備蓄することへとつながった。2009年に世界保健機関が実施したシステマティックレビューでは、死亡率や入院を減少させる可能性があるとしたが、集まった証拠の質は低かったため、一般化できるものではなく複数のバイアスがあった。

 

#有効性に示したように、完全なデータ公開によって、ロシュの見解は訂正されることとなったが、このような事例の再発を防ぐには、医薬品規制庁と製薬会社は、データをパブリックドメインに置き、情報共有する必要がある。

 

 

薬剤耐性

オセルタミビルに対して薬剤耐性を持ったH3N2の変異株が、「タミフル」によって治療を受けた日本の子供たち50グループ中から18%の割合で検出されたことが報告された。これは、日本の子供たちから薬剤耐性をもったH1N1の変異株が16.3%の割合で見つかったという別の報告と類似している。

さらに、「タミフル」によって治療を受けていたベトナムの少女1人から、高い薬剤耐性を示すH5N1が検出された。

 

薬剤耐性はパンデミックが起こるための重要な要素である。トリインフルエンザは持続期間が長いため、より耐性を獲得しやすくなっている可能性がある。このような耐性ウイルスが大流行を起こすことが危険視されている。

 

 

異常行動

タミフルのみにおける低体温や異常行動につながる急性に生じる反応には、モノアミン酸化酵素阻害作用、GABA(中枢神経抑制)やニコチン性アセチルコリン受容体への作用への機序が、動物研究から想定される。 また、ノイラミニターゼ阻害作用によってゆっくり生じる反応は、ウイルスを減少させずに症状を減少させており、抗体の産生を低下させ、また再感染に対する免疫の発生を減少させて再感染しやすくなる可能性があり、心臓に良くない影響が考えられるQT延長、様々な器官に及び、また最初の服用から数日後に服用した際の発症という遅い精神症状も報告されている。

 

 

最初の異常行動の報告から2008年まで

2005年に日本で、突然死や異常行動が報告された。11月17日、アメリカ食品医薬品局 (FDA) は、インフルエンザ治療薬「タミフル」を服用した日本の小児患者12人が死亡したと公表した。4人が突然死、4人が心肺停止でそれぞれ死亡、意識障害、肺炎、窒息、急性膵炎(すいえん)により4人が死亡。他国の死亡例はない。また、皮膚超過敏症が12件、幻覚、異常行動などの精神神経病的な症状が32件、世界で報告されたが、ほとんどが日本であった。

 

2007年9月29日、セントルイスワシントン大学精神医学教授の和泉幸俊らは、オセルタミビルおよびその代謝産物を、若いラットより摘出した脳細胞に浸すと、神経細胞が一斉に興奮(発火)することを報告した。実際の組織内濃度をはるかに超えた状態で行われた実験のため、これが臨床的意味を持つものかどうかは未確定である。

 

2008年に東京大学のグループが、ラットの海馬をもちいた研究で、平時はばらついて興奮しているニューロンが、オセルタミビルを与えると回路全体が同期的に興奮する特異な発火現象とこれが本剤に限らず他のノイラミニダーゼ阻害薬でも起こることや、実験動物では血液脳関門をオセルタミビルの薬効物質が移行することなど報告している。

 

 

 

私の認識が偏っている可能性があるため、あえて解説はしません。

また、薬には「添付文書」といって、製薬会社が作成して医者が読む「薬の取説」のようなものがあり、NETで誰でも簡単に入手できますので、これでご自身の使用する薬の詳細を調べることができます。

しかし、新しい薬にはデータがほとんどなく、集まった証拠は質が低い場合もあり、判断は難しいのであります。