イランの通貨が「リアル」から「トマン」へ法改正! 2年程度でデノミ実施か?
通貨で大きな動きが見られたので、情報共有しておく。
イラン国会は4日、通貨単位を1万分の1に切り下げ、通貨の名称を現行の「リアル」からカジャール王朝(1796~1925年)時代の「トマン」に変更する貨幣銀行法改正案を可決した。イスラム法学者らでつくる「護憲評議会」が承認すれば、2年程度で実施される。
リアルは、パーレビ王朝時代(25~79年)に導入された。2018年にイラン核合意から離脱したトランプ米政権が経済制裁を再開して以降、リアルの価値は急落し、物価高騰を招いており、通貨の単位を変更する「デノミネーション」の必要性が議論されていた。
通貨単位を1万分の1に切り下げるので、日本の通貨でいうと1万円が1円になるということ。
ただ、記事では「2018年にイラン核合意から離脱したトランプ米政権が経済制裁を再開して以降、リアルの価値は急落」とあるけど、急落後は対米ドルにおいてはたまにヒゲはでるものの固定相場と言っても過言ではない状態。(下チャート参照)
2019年のイラン国内インフレ率は、60%と言われているので物価上昇は起きていると判断できるが、現状ハイパーインフレではない。(デノミ=ハイパーインフレではないので注意)
ここからは推定となるが、イランは石油輸出国であるため、原油価格下落の影響は受けているはず。 (ただし、イランの石油取引は人民元で可能となっている)
経済制裁により外貨獲得が困難となっていることは明らかだが、デノミネーションの実施が2年後とは、なんとも悠長な気がしてならない。
新紙幣を発行するのが無駄なので、やはりデジタル通貨を視野に入れているのだろうか?
米 ドル と イラン リアル の変換
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2020/05/06 23:04 (UTC+9)